ベテラン社員の研修レポート

◆ 研修レポート01〈2008年5月20日〜5月24日〉 ◆

初日 5月21日

朝7:15に夏川局長直々のお迎えで、清水町の【スプリングファーム】内にあるフルタイムファームへ出勤。宿舎からは車で約15分。信号も無く、スピードも制限速度を超えて走行してしまう為か、あっという間に到着した。そこには既に市川夫妻の姿もあった。広大に耕された土地とその脇にはビニールハウスが二つ並んでいた。機械で整地されていた土壌の広さは1ヘクタールを裕に超えていて、たった三人で何をするんだろうかとささやきあってしまった。ビニールハウスも外から見えるだけでも、15m×50mくらいの大きさで、圧倒されてしまった。ハウスの中は、昨夜までの雨の影響で冷んやりした外とは違って、やや湿気が多いもののほんのりと暖かかった。そして、辺り一面にアスパラの木が整然と並んで生茂っていた。1m幅くらいの通路が7本あって、その両脇にアスパラの木々が所狭しと整列し、その足元をよく見ると、食卓に出てくるあのアスパラが点々と生えている。

やがて、局長からハウス内へ集まるよう声が掛かった。土の状態が悪く(柔らか過ぎて、一部が流れていた。)、今日の作業をどうしようかつぶやいていた。三人は長靴と手袋、そして防水用のズボン(雨具)をそれぞれ借りて準備し、朝礼に集合した。結局、この日はアスパラの収穫と剪定作業するということで、その方法を市川夫妻に教わりながら取り掛かった。足元に生えているアスパラを鋏で切って収穫をするのだが、その鋏に28cmの金属の棒を取付けて、アスパラの根元に鋏を開いた状態で宛がいながらサイズを測って、同じくらいまで育っているものを切り取っていく作業だった。どうやら大きすぎても小さすぎても商品価値が下がってしまうものらしい。アスパラ自体は、生で食べてもとてもおいしいものだった。作業の合間に何度かつまみ食いもさせてもらった。更に、収穫した後も、長さを22cmくらいに切り揃え、一束が同じ重さになるように纏めてから出荷しているようだ。剪定作業は、通路に沿って張ってあるロープを目安に、移動の妨げになるような枝打ちをするのだが、光を取り入れたり風通しを良くしたりする効果もあるようだ。ハウス内のアスパラは高さが1.5m程度しかないが、葉は上に来るほど生茂っている。聞いたところによると、高い所に葉が多い方が、光合成が活発になり成長が良いとのことだった。ハウス自体もオートメーション化が進んでいて、屋根や横の部分は気温によって自動で開閉して調整している。水も自動で撒けるようだ。風だけは手動でファンを使っているようだ。この二つのハウスでの作業だけでも、夏川局長と市川夫妻の三人では大変そうだと感じた。

調査目的で来ている一人も、収穫の支援をすることになり、害虫(アブラムシ)の被害を受けていたものには相当苦労したようだった。

そうこうしている内にお昼になり、十勝地方では有名な豚丼を食べようと、市川氏が誘ってくれお店に出向くものの、定休日で出鼻を挫かれてしまった。

それでもせっかくだからということで、そばを食べにいくことになった。清水町はそばが特産物でもあるらしい。そばを食べながら、件の遠隔監視システムについて、市川氏は熱心に話しをしてくれた。

それにしても昼食を食べに行くだけなのに、移動だけで2,30kmは車で走行したのには、北海道の広さを改めて感じさせられた。

午前中は若干曇っていたものの、午後になって日が射してきて、ハウスの屋根が自動で開いていったのには、作業の手を止めて見入ってしまった。その時近くにたまたまあった温度計は31.5度を指していた。朝はハウス内といえど、17度くらいだったのに。いつのまにか背中に汗が滲んでいた。収穫出来るサイズのものが無くなったので、作業終了となった。全部で15kgくらいあったようだ。今回は出荷をせず、本社へ送ったようだ。我々にも一部お裾分けを頂く事ができた。翌日も朝7:30集合ということで初日の作業は終了した。

お昼に借りたレンタカーで、先程、一部お裾分けを頂いたアスパラの発送手続きをし、宿舎に戻った。

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